買い物済ませて車に戻ったら、4才くらいの洟垂れ男児を連れた知らないオバサンがへばりつくように窓に顔をくっつけ、必死でドアをガチャガチャしてた。

一瞬目の前の光景にぽかんとして、

「どうしたんですか?」

と声を掛けた。


オバサンはドアをガチャガチャさせながら、

「いえね、鍵を中に入れたまま鍵閉めちゃったのよ~。くぅー、開かないわねぇ」

こちらを向かないまま取手が取れそうなくらいガチャガチャ言わせているオバサン。

でもオバサンがへばりついてる車はどう見ても自分の車なんだよ。

で、ぽつりと

「…車、間違えてませんか?」

と我ながら間抜けなセリフ。

そこで初めてオバサンが

「え?」

と顔を上げる。

「いや…これ、私の車なんですけど………え?」

と、突如オバサンが目の色変えて私に掴みかかってきた。

「鍵ッ!!!鍵寄越せ!!!!!」

咄嗟のことで反応できない私。

爪が頬に当たって痛かった。

と、そこで警備員(どうやら近くに車停めてた人たちが不穏な空気に気付いて呼んでくれてたらしい)がオバサンを止めてくれて、何とか事なきを得た。

因みに動機は、私の車に乗ってた折り畳み自転車盗りたかったんだって。

曰く、

「車があるなら自転車いらないじゃない!だから貰ってあげようと思っただけ」

うちの近所は自転車の盗難が頻発していて高層マンションの自室まで自転車を持って上がっている人が多いけど、重かったから車に乗せてただけだい(ノд;)