自動車の免許の本試験会場に行く道中、いきなり信号待ちのおじいちゃんに姉ちゃんの軽が突っ込んだんですよ。

3月の試験当日って事で、車の免許取りにくる連中が200~300人歩いていたまさに目の前で事故は起こりました。

試験集合時間20分前という微妙な時間の為か、見て見ぬ振りのアフォが大多数の中、漏れを合わせて4人が現場に駆け寄ると、お姉ちゃんは車の中で「会社に遅れる」と泣いていました。


よく見ると全くの無傷なので「泣いてないで警察と病院に電話しろ」と言った後、道路の真ん中で倒れているおじいちゃんの意識を確かめ歩道へと4人がかりで運びました。

ふと姉ちゃんを見ると「気分が悪いのでちょっと」と言い残し、車を置いてどこかへ行ってしまいました。

残された漏れたちは一瞬あっけに取られたもののすぐに警察と病院に連絡して車を誘導しつつ救急車の到着を待ちました。


暫くして救急車と警察が到着したが、なんせ加害者が居ないという奇妙な事故現場、すでに試験の集合時間は過ぎてしまっているうえ、犯人と間違われ、その場での事情聴取が始まってしまい中々その場を離れられない最悪の状況。

「今から免許試験受けなきゃならないんだ」
「じゃあ無免許でのってたのか」

不毛な言い争いが続く中、やっと姉ちゃん帰還。

「こいつが犯人だからな後はそいつに聞け」

と言い残し漏れ達4人猛ダッシュで試験会場へ向かいました。

急いで受付へ走ったが受付はすでに40分前に終了。

「きちんと車校で学んだ事を実践したがために試験を受けられないのは納得いかない」

と抗議するが受け入れられない。

受付嬢では話にならないので教官室へ交渉しに行ったがやっぱり相手にされない。

「君達は正しい事をしたかもしれないがルールはルールだ、今回は諦めて次回試験を受てくれ」

この台詞に漏れたち一斉に切れる。

「ふざけるな、ルールを守らず、被害者を見捨てた奴が試験を受けてるんだぞ、ルールってのがあるならまずそいつらを不合格にするべきだろうが」

「お前ら、自分が教えてきた事と、ここで矛盾してるじゃないか。自分の都合が優先されるなら免許なんて意味ねえじゃねえか」

「警察に問い合わせて聞いてみろ、加害者が居なくなったから俺達が消えたら被害者を放置することになるんだぞ、そんなこと出来るわけないじゃないか」

「遠くから会社休んで来たのに納得いかない、間違ったことはしていないのだから今からでも参加する権利はあるはずだ」

など4人で切れまくっていたが

「誰かに後を任せてこれば間に合った」
「一本早い電車でこれば間に合った」

などと、全く相手にされない。

仕方なく引き下がったが、妙な連帯感が生まれた漏れ達は昼飯を一緒に食いながら愚痴りまくり、今度の試験はみんな絶対合格しようと約束してそれぞれの帰路につきました。

社会人だった人は最寄の警察署まで事故の証明書を貰いに言ってました。

なんでも「試験を受けられなかった証拠として会社に提出する」のだそうです。

漏れの人生で納得できない出来事ワースト3に入る出来事でした。