まだ若かった頃、人と違う事がかっこいいと思ってた。

みんなが邦楽聞くなら、自分は洋楽。

みんなが茶髪なら不自然なくらい漆黒の髪に染める。

みんなが夏に肌露出するなら自分は露出しない等。

そんなんで、まわりが日本人の彼氏なら自分は外国人の彼氏を作ってやろうという気になった。


別に外人は好きじゃなかったんだけど(あのザラザラした肌とか、顔から手まで生えた産毛とか)。

しかしまわりには外人男なんてあまりおらず、いても結婚してたり彼女がいる奴だった。

それで、日本語ベンキョーシテマース、日本人のトモダチホシイ!みたいな張り紙してある場所を見つけたので、メールしてみる事になった。

公共の場なので写真もなく、奴らの詳しい事はよくわからない。

会えそうな奴らに返事を出してみたが、その中で若い奴と、リレーションシップ求めてますとチラ書きしてた奴から返事が来た。

まぁ国内だし大きなレストランで会えば安全だろうって事で、2人とそれぞれ別な日に会う事になった。

友達として会うという前提で。


1人目の若い奴・張り紙

「僕は友達を探しています。19歳です」→メールの自己紹介

「普通の身長。黒人です」→私の想像「アメリカ映画の高身長の黒人」→現れたのは…


160もないチビ、丸顔で真っ黒、短足、アメリカぽくない

→しかもそういう時に限って、なぜか店内に高身長の黒人男などスタイルいい外人集団が来て公開処刑を喰らう

→おまけに高身長黒がチビ黒に目で合図をして「デートがんばれよ」と余計な事をし、ペア席を譲ってくれた


2人目の奴・張り紙

「友達欲しい。できれば交際に発展」→局留め手紙の自己紹介(携帯ないらしい)

「白人青目。背は高いほう。年は30代後半」→私の想像「典型的な白人かな」→現れたのは…

「165もないチビ、無職、死んだ魚濁った青い目、見た目70歳位」

お父さんがつけるようなクッッッサイヘアトニックの香りがプンプン。オエー

→おまけに奢ると言っていた飯も「母に金送ったからない」と奢ってもらえず、仕事以外でまず会わない同僚にはなぜかバッタリ会い「…か、彼氏??」とドン引きされた顔で囁かれた。

「知り合いのおじいちゃんの道案内です」

と冷酷アサシンのように答えた後、デートは逃走するように放棄し奴に触られた部分はシャワーで念入りに洗って日を終えた。

新年早々、地獄だった。

以降、外人アレルギ-になったが、なんでも人と違う事をすりゃイイってもんじゃないな、と年をとる。