3年前のこと。

大規模小売業勤務の私は、普段から平日が公休なんだが、その日はローテーションの関係で、いつもとは違う曜日に休みをとって自宅にいた。

昼前、いつもの時間に母が買物に出た直後、誰かが訪ねて来た。


いつもは応対になど出ない父親が、さっと居間へ招き入れ、なにやら上機嫌で話をしている。

父親とは普段から反りが合わないし、見栄張りでつまらない家電買わされたり工事代金ボられたりしてる人なんで、その来客もその手の手合いかと正直興味は無かった…んだが、その日はなんだか感じが違った。

今思うと『虫の知らせ』ってヤツだったんだと思う。

居間とは反対側のドアから台所に入って、自分のコーヒー入れながら聞き耳wを立ててたら

「ショッピングモールにもお近いですし…」

「駅まで歩いて行ける範囲…」

「築年数は、まあこちらくらいでしたら…」

という会話の切れ端が聞こえてきた。

なにこれ?不動産屋?どゆこと? 頭の中でアラームが鳴り響いていた。 

「じゃあ、まず外廻りを見てもらおうか」

父親が庭に面したサッシ窓から出て行く気配。

不動産屋(推定)の男性が靴のある玄関へ回ったところを掴まえた。

「いらっしゃいませ。おかまいも致しませんですみません。失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか?」

「これはどうも、私、○○不動産の××です。本日は…」

「単刀直入に聞きます。父は何をしようとしてるんです?」

「え…はい…こちらをお売りになりたいということで、本日はお見積もりに…」

……あんのクソジジイ!!

玄関で話してるところに父親がやって来た。 

どうも私が家にいるとはコイツ思ってなかったらしいw一瞬唖然としてたwww

父「…おまえ、何してんだ」

私「何してんだはこっちのセリフだよ。あんた家売るつもりなん?」

父「!俺の家じゃ!おまえには関係なかろうが!!」

図星突かれて切れるとかwwww

私「住んでる以上、関係ないこと無いでしょう。…嫁き遅れ娘には関係なくても、お母んには関係あるんじゃない?Aくん(訳あって家で預かってる甥ッ子)は今年受験生なんだよ?弟や妹も知らないんでしょ?」

不「あのう…」

父「ああ、すみません。構いませんからどうぞ…」

私「申し訳ございません。こういう事情なので、ひとまず今日はお引取りを願えますか?」

父「おまえは黙っとれえ!!」

私「他所様の前で大きい声出すとかみっともないw あんたの娘はねぇ、もう怒鳴れば黙るコドモじゃないの」

父「…」 

買物から戻って来た母にさくっと、淡々と報告。
母もいろいろと不審に思う点があったらしいんだが、都合が悪くなるとすぐ声を荒げる&機嫌が悪くなる父親にきちんと聞けなかったという。

しかし、事態はもう洒落にならん状況になっているんだ、と母を励まして、とりあえず二人で父親を詰問した。


先物取引に手ェ出して、大失敗www 穴埋め穴埋めで、サラ金複数社に借り入れ&知人にも借金アリwwwwww

総額現状3000万円+α(知人分。金額言いやがらねぇwwwww)。

ついでに母の実家土地売った金着服、甥ッ子のために預かった弟嫁の遺産つwかwいwこwみw

心配していたが、お母んは泣かなかった。ヤバイ顔色になってたけど。

母「…B(私弟)とC(同妹)に連絡するわ。皆で話しましょう」

私「そうだね」

父「俺に恥をかかすつもりか」

私「黙れ。四の五の言う口があるなら、弁護士会の借金整理相談にでも電話しろ」

まあ本当に、よくもまあこれだけバカの積み立てをやってくれたもんだwと、笑いしかこみ上げないが、自分的には父親の首根っこ押さえたこの時が修羅場だった。

世間の父娘ならもっとコミュニケーション取れるのかもしれないけど、小さいときから父親の暴力(言葉と身体の)に鍛えられて来た親子関係だったからさ。

自分的にここが一番の正念場であって、力関係が逆転した瞬間だった。

で、借金なんだが、弁護士会の相談機関に依頼して、超過分やらいらん利子やらキレイにしてもらった。

それでも1500万ほど残った分は自宅を担保に銀行融資受けて、私ら姉弟妹と本人で毎月定額を返済中。

仲良しきょうだいで本当に良かったと思う。

弟が「お母んの実家は守れなかったけど、この家だけは守ろうぜ」って言ってくれた時に初めて涙が出た。

ちなみに返済完了後は、もうつまらんことさせないために、家の名義は私名義に書き換えることになってる。

こんな絵に描いたようなテンプレバカ借金のために、毎月少なくない金を払うのは正直辛い。

けど、母親と甥ッ子の生活だけは守ってやんなきゃならないしね。

完済まであと一年切ったので、記念に投下してみた。

ブツ切、盛り上がり無しで済まないですw

あ、この夏に父親知人から「貸してた200マソ返して」と申し入れが来て(この後に及んで隠してやがったwwww)私の老後の蓄えがすっとんだのを、オマケとして終わらせて頂きます。

お目汚しでした。