その昔、零細の印刷屋に8年いた。そのやめ際が人生最大の修羅場だな。
従業員は機会オペレーターの俺と、製本に知遅れのオバハンが一人。そんな状況だから大概の事は俺がこなさなきゃ会社が回らなかった。


元々酒癖の悪い社長ではあったんだけど、業績が悪化するに伴い、昼間から車に一升瓶を積み込み、フラッと居なくなっては夕方に酩酊状態で会社に帰ってくる様な状態が続いた
給料もくれたりくれなかったりで、一体何ヶ月遅れているのか解らない。
クリスマス前のある日、客からクレームの電話。年賀状の注文を取りにくる様11月から社長に言ってるが全然来ない、間に合わなくなったらどうしてくれるんだ。と。

大急ぎで車を走らせ、客からの注文と葉書を受け取りに行き、何とか即日納品。


明くる朝、カンカンになった社長から自宅にお呼び出し。
前日夕方にそこの客に出向き、納品されたブツを見せられて客に嫌味を言われたらしく、リビングに正座させられ、お前が余計な事をして俺の顔に泥を塗ってくれた!と火の点いたタバコで殴られた。

そこで本当何かが弾けて、自分の拳から血が出るまでボコボコに殴り、もう辞めだ!と吐き捨てて社長宅を出てきた。

その後がまた大変。
辞めたその日に自分で包丁で体に傷を付け、家財道具を無茶苦茶に壊してから俺にやられたと警察に通報してくれたおかげで危うく殺人未遂で逮捕されそうになったり、
翌日母親の携帯電話にお前の息子を殺したと電話をかけてきたり、数ヶ月後に父親の退院を家族で祝っていたら、どこで聞きつけたのか元雇い主である私にも祝う権利があると家電に何十回も電話をかけてきたりした。

会社は俺が辞めた二週間後に倒産。社長はその後何度か問題を起こして地元新聞に名前が載ってた。酒絡みで刺されたとか言う噂も聞いた。
心の底から死んでいて欲しい人物