去年のことだ。 
街で買い物中、迷子中のAちゃん(7)に纏わりつかれたので家に送ってあげた。 
近所に住んでる子で、地元・学区の行事でよく顔を合わせ、何故か俺に懐いてる。 
Aちゃん宅に到着すると玄関前には白と黒のツートンカラー。嫌な予感がしたが、まんまと的中。 
婆親は俺を誘拐犯と詰り、俺は警察に連行。3日ほど拘留され、親父にブン殴られて釈放。 
後日Aちゃんが謝りに来た。この子はいい子だ。「お母さんが中々納得してくれなくて…ごめんなさい」と。



ところで俺は心が狭い。たぶん猫の額ほどもない。 
先日Aちゃんが川で同い年くらいの子らと遊んでいた。視線を上流に辿っていくと山には暗雲がこんもり。 
眺めている内に水が増していき、中州に取り残されるAちゃん達。 
流れに呑み込まれるAちゃん達を見届けて婆親に知らせてやった。 
「今度は助けませんでしたよ、誘拐犯じゃないんでw」 
婆親は発狂した。そして俺は再び親父にブン殴られた。 

ごめんね、Aちゃん。俺に恨まれた婆親を憎め。 
あー自己嫌悪。

増水といっても深さ30cmくらい。
Aちゃん達は近所の人に助けられた。