たいした話でないかもしれないけど、自分にとっては卒業式が話題に出ると思いだす話。 
俺が高校3年の時のクラスは、就職コースでなおかつ高卒の資格だけほしいってやつらが 
集まるクラスだった。だから、授業なんて聞かずに寝てばっかりいるし、夜は街で遊んでた。 
しかし、俺らが3年の時に担任になった先生は、熱血で有名な先生で、とにかく熱心。 
授業まじめに聞くまで何度も何度も説教するし、夜遊んでいると知ると、毎晩のように 
街に出て捕まえるし(狭い街だし高校生が入れるところなんて限られてる)、熱心。 
あと家族とか金の関係で、弁当がないやつやパンばっかり食べてるやつが 
偶然多いクラスだったんだけど、先生が途中からそういうのに気づいて、弁当つくって 
きてくれるようになった。 
うっとうしい部分はあったけど、それでも体育大会とかクラス対抗とかで燃えたり、 
青春っぽい感じになって、高校3年の中で一番がんばった気がする。 
就職も、就職課の先生でもないのに一生懸命書類の指導とかしてくれて、全員内定をとれた。


それでいざ卒業っていうときに、盲腸か何かで先生が入院したから、欠席になった。 
クラス全員に手紙書いたっていうから、それを渡したいって、先生の奥さんがわざわざクラスに来た。 
それで挨拶をってことで、笑顔でつらつらと、 

夫はあなたたちのために、朝早くから遅くまで働いていた。おかげで子どもは 
パパをパパとして分かっていないほどだ。 
毎日毎日お弁当をつくるのも今日が最後かと思うと寂しい。私もみなさんの食費のために 
働いていた。毎朝顔も知らない人のために、4時から起きて準備しないといけず、 
体を壊しても作り続けなければいけなかったので、元気にみなさんが卒業という日を 
迎えられたことを本当に嬉しく思っている。 
どうか就職しても、夫のようなバカがいたことを覚えてあげていてほしい。家庭を犠牲にしてまで 
あなたたちのために一生懸命だった。入院してもあなたたちの話ばっかり。 

みたいなこと話していた。笑顔で、内容は普通なんだけど、少しトゲがあるなって感じてた。 

今子ども持って同じ状況になって分かるけど、奥さんの恨みは、トゲをさすぐらいじゃなく、 
相当に入っていたんじゃないか、と思い出すたびに背筋が寒くなるのが修羅場。 
先生が今どうなったか分からないけど、離婚したとか聞くのも嫌で、卒業から何度かあった 
同窓会とかに、先生を呼ぼうっていう話は一回も出てない。