両親の中も良くて普通の家庭に育った私が社会人になって家を出るまでの二十数年間で経験した家庭内で一番の修羅場。

詳しい学年は覚えていないけど小学校低学年の頃だった。

当時住んでた家は狭いけど4LDKのマンションで六畳と四畳半の和室が隣り合わせでふすまで仕切られていた。

寝るときは私と母が四畳半、ふすまを挟んで六畳の方で父だった。

親子三人川の字にならなかったのは、父が結構夜遅くまでテレビを見ていたので…

そんなある日の夜中、母親が聞いたことないぐらい激しく父に怒鳴る声で目が覚めた。


夜中だから近所迷惑とかそういうことを一切考慮しないぐらいの大音量だった。

半分寝ぼけていた私は全てを聞き取ることはできなかったが。

「はずかしい」「くっさ…何この臭い」

といった言葉が耳に入った。

当時の私は父がいい年しておねしょをしたのだと思っていた。

確かに恥ずかしいしおしっこの臭いは臭いしなぁ…と思いながらまた寝た 。


あれから時が経ち高校生の頃、三人揃って夕食を食べている時にふとしたきっかけでこの話になった。

真相は同僚と飲んでいて父が泥酔レベルに酔っ払い、見かねた同僚が家まで送ってきた。

そのことを「はずかしい」と怒鳴り、泥酔しているので半端なく酒臭いので「くっさ…何この臭い」と言ったらしい。

あの時私は父がおねしょをしたのだと思ったと明かすと父は苦笑い、母は爆笑した。

が、次の瞬間あの時に戻ったかのようにまた激しく怒鳴り説教をし出す母。

もう許して下さいと言わんばかりの表情をする父。

未だにあそこまで泥酔したのが恥ずかしかったのだろうなと思った。

文章じゃ伝わってきませんが、普段温厚な母がここまでキレたので修羅場かなと思いました 。