全力でバカな事ばかりしてた小学生の頃

いろんなガスや気体の空気と混ざる性質について理科の授業で学んだ時

「じゃあ空気と混ざっていない”屁”はどのくらい臭いのだろう?」

という疑問が湧きあがった。


その日の食事の後、俺は子供ならではの純粋な好奇心を満たすべくガラスのコップを密かに隠し風呂場へ持ち込んだ。

風呂の熱い湯の中、一日頑張って我慢した屁を放出しガラスのコップへ溜めていく。

透明な気体がコップを満たしていく様子に満足しつつ、いよいよ己の顔面へ向けて一気にコップをかたむけ空気を吸い込んだ。

その屁のあまりの臭さに思わずウォウッと声をあげ瞬時にのけぞると拍子に湯船の中で姿勢を崩して尻が滑りお湯にボグォっと沈み込んだ。

大きく吐き出した空気の代わりに肺へ流れ込む風呂の湯にパニックになりあわてて湯船から顔をだし大きく咳き込んだ俺はその場で激しくむせ返りたらふく食った晩飯を湯船にぶちまけた。

お湯に浮かんだゲロの中ぼうぜんとしていると母親が入ってきて俺を救い上げてくれた。

「どうしたの!?具合悪いの!?救急車呼ぶか!?」

涙目で心配してくれる母親に申し訳なくなり正直に全てを話したら母はテーブルにひじをついてうなだれ、父は涙を流して笑い転げ姉はおれの頭を一発叩いて祖母を連れ銭湯へ行った。

あれ以来風呂に入ると懐かしい思いとともにほろ苦い何かがこみあげてくる。